6GB8パラプッシュプルステレオアンプ


 1988年8月完成

 6GB8 東京オリンピックの時場内拡声装置に使われた真空管です。

当時のアンプの実物を見た事が有りますがプッシュプルで100ワット位でした。

このアンプはステレオで最大600ワット絞り出します。それには写真に写っていませんがもう一つ電源トランス

を外付けにしてここ一番と言うときに電源を入れてパワーを供給します。後ろから黒く太い線が見えますがその

先にトランスが付いています。

 TR式安定化電源は3電源で
前段プレート電圧、6GB8のg2電圧、6GB8のプレート電圧を安定化してます。

 調整中に片チャンネルだけノイズを入れてしまいプレート回路に入れてある2アンペアのヒューズを切って

しまった事がありました。プレート電圧600ボルトでしたから100ワットの出力トランスに瞬間1200ワット

以上の電力が供給された事になります。200Wの負荷抵抗が一瞬にして熱くなりました。

球が昇天してしまったかなと思いましたがバイアス電圧が3V位変わっただけで音は出ました。

これですごくタフな球だとわかりました。でもステレオには使えず現在の価格富士商会調べで6.4万円分

パーになりました。みなさんも気を付けて下さい。売り出された当時ペア箱3千円だったのに高くなりましたね。

でも、物価から考えると通貨価値としては同じですかね。当時の3千円は今のいくら。

 非常に電力感度が良い球なので発振する可能性が大きいため高周波回路扱いの経験を要求されます。

このアンプの制作過程をこれでもかと言うくらいしつこくビデオに撮ってあります、興味のある方は御一方

下さい。

また、内容について同じような物を制作しているがここが知りたいなど有りましたらメールして下さい。

*           *          *         *        *        *

  6GB8 真空管使用500V0.2A直流電源装置の修理改造
カーブトレーサーが不調でダイオードの耐圧試験を500Vだけでも印可しようと久しぶりにこの電源を使おうとしたら
電圧が400V程度しか上昇せず不調なので修理する事にしました。
6GB8 X 2

6U8 X 2

85A2 X 1

直流500V 0.2A

直流−200V

交流6.3V X 2

真空管アンプの為
の用な電源。

ボリュームを目一杯上げても400Vまで。            ー電源は0Vから−205V位の範囲。
ヒータ用電源は定格6.3V最大3A が2系統。昔の電源なので電圧は高めです。(電圧降下を考慮して)使用時は注意。
早速中を検証しましょう。
6GB8 2本 これは装置を手に入れた時空気管状態のを
黒プレートのペアに交換した物。約30年前。
3本の真ん中は85A2
左右が6U8。この3本は当時のままの物。
日常的に使用する事は無く、利用したのは電解コンデンサーのエージング及び耐圧試験。
ガレージセール、コンデンサー販売ページ参照
年代を感じさせるセレン整流器
シャーシの中、直ぐに見つけたのは下側のカソード抵抗とプレート抵抗の異変。抵抗値を測定すると動作には支障が無さそうですが
見た目にも限界が来てますので交換しました。
トランスへのプライマリー100V用電線が熱で痛んでいたので巻き戻してシリコンチューブを施しました。
ボリューム調整で100V分足りないので試しに抵抗を付け足して見たら500Vまで上がりましたが、この状態では良くないので
定電圧放電管を購入しました。 ムラードの85A2と有りましたが実際は0G3らしき物。ま、同じですが。 
これと交換したら電圧調整範囲が復活しました。 
巧く行ったとその日は引き上げましたが、次の日また電源を入れてボリュームを上げて行くと最後のスイッチが入ると500Vを簡単に
超えて行きました。直ぐに電源を切り、中を見たら0G3が光っていませんでした。
取り出して見ると電極部分のガラスにヒビが入っていて空気管になっていました。 何で。 何時このような状態になったか。
考えていても埒が明かないのでまた真空管を購入した、今度は6U8も購入して交換して見た。
電圧異常を起こした元
からの球,東芝85A2と
2本購入した内の松下の
0G3は予備。
左が現在使用中のNEC
85A2マツダ箱に入れて
有るのは印刷が消えて
所在が分からない6U8
まだ使用可能。
6GB8は今回交換した
黒プレート品(今では
貴重品か?)
元のような動作が確認出来ましたが古い機械なので抵抗など時間と友に変化する様でボリューム調整も必要になるので上部に有る
ボリュームに簡単にアクセスする為の開口を付けます。
交換し
て取り
付けた
同一
ロット
7C表示
の新品
昔の業
者御用
達品
最後に実働試験。
負荷抵抗値3kΩで400Vと500Vを印可。
その時のボリューム位置を上部中のボリューム
で調整。500 表示のボリュームは頻繁に調整
する事が有りますが、0 表示のボリュームは殆
ど変わりが有りません。右下の3個のボリューム
は今一分からないですが−205 のボリューム
は500V出力にも影響します。前面電圧調整用ボ
リュームは回し切っても500Vを大幅に越えない
よう位置調整します。
上部に開けた穴は蓋を作って揺らした程度では
外れません。上のmV表示の電圧はメータの0点
調整の物です。機械的0点と一致しません。
これで一応使用に耐える品物になりました。 多分40年位前に生産された品物と思います。今回真空管は全て新しくしましたので
暫くは使用出来ると思います。
もう少し若かったら実態配線図を描き、配線図を作る事も行ったかも知れませんが、今ではその気力が出ません。
部品もトランス以外は入手可能なので  (セレン整流器は放熱付きのシリコンダイオードと交換可能の場所が有ります)
修理可能でしょう。                                  修理完了日 2021年9月28日