APPLE ll

 今となっては社名より製品名のマッキントッシュの方が

 有名になってしまいましたが最初は社名がそのまま製品名に

 なっていました。

 1977年春この世に送り出されたAPPLEllは、人類における最初の

 パーソナルコンピュータ(だと思ってます)が登場しました。

 現在のPCのハード的基本はほとんど押さえて有ります。

 そんなPCを悪戦苦闘しながら自分の物にして行った過程を

 紹介します。

 

apple lleです。

 私が制作したのはllですが

 外見は変わりません


 本体だけでも年収の半分、周辺機器まで純正で揃えたら年収をオーバー

 してしまう、そんな高価なものを手に入れられるわけもなく、マザー

 ボードの基板だけ、部品も選んで作るコンピュータに挑戦して行きました。

 余談ですがアップルマークの右側がかじられたように欠けているのは

 上のロゴを見てもらえば分かりますがappleの文字がリンゴに

 食い込んでいるのがリンゴマークだけになった時もそのままになって

 いるものです。

 私のAPPLEllを紹介します。

 外観です。 5インチFディスクは
 純正ですとコントローラ付きで
 199、000円した物です。これは日本製で
 ワンドライブ5万円近くしたと思います
 左側に付いているSWはライトプロテクト
 キャンセル用です。

  
  電源は内蔵出来なかったので外に有ります。

   

内部全景です。

内部、ICがぎっしり

これら部品を一つ

一つ半田付けしました 
  LEAD製ケース                    

  

 ペリフェラルスロット     ラムカード        


  

  Z80カード       Fディスクコントローラ  

                                  

ペリフェラルスロット今のPCIスロット

でしょうか。Z80カードはラムカードと

合わせて56K CP/Mが動作しました。

左のカードは80桁表示とカナ表示を実現

させるものです。

 これらのカード類は本体を制作してから少し経ってから揃えられた物で

 最初はソフトの入力はキーボードからかテープでの入力でした。


ソフトを入れたカセットテープで

カラオケ用の10分テープです。

この内の何本かは電波に乗って我が家に

送られて来た物もあります。

アマチュア無線の50MHzの電波に乗って

100km以上空を飛んで来ました。

電波にノイズなど入るともう一回という感じです。

 プログラムの入れ方はラムの番地を入力して開始番地入力リターンです。

 *900・9000R  900G   などと入力します。

 テープを走らせピーと音がしたらリターンします。

       その後5インチFDを導入、ソフト

の量も増えて行きました。

また、テープソフトをFDに入れ

変える作業も楽しいものでした。

 今も300本以上のソフトが有りますが、ほとんどがゲームソフトです。

 この後ファミリーコンピュータが出てきましたが最初はほとんどアップル

 ゲームの移植版だった事を覚えています。

 前にも書きましたがマザーボード(と言ってもほんとに板だけ)の状態

 からの制作ですので入出力インターフェースなども自分で作らなければ

 なりません。

    

 上の写真の左がキーボード、中のスリットからFDケーブル、右に  

 ディスプレー用コネクタがあります。背面に付いてる小さな基板は  

 RFモジュレータでTVに出力するための物です。   

 トランスはスイッチング電源にマイナス12Vが無いためにそれで  

 作っています。 基板の角に基板から浮いたように付いている部品が

 ありますが、クロック用の水晶で、より安定性のある物が見つかった為

 ソケット部分が合わないのをむりやり付けているため浮いています。

 そして、一番の問題がキーボードです。

 現在のウインドウズキーボードみたいに500円で買えるような物は無いし

 純正は本体に付いていますから単体で純正品を調達する事も出来ません。

 当時、汎用コンピュータや見たこともないコンピュータのジャンク品が

 多数出まわっていたのでそれを改造しました。  

   

 上の写真がまだ改造していないキーボードのジャンクです。  

 当時で3〜4千円位だったとおもいます。 キーメカはホール素子で

 現在のゴムスイッチとは比べようも有りません。 

 現在使用中のキーボードを紹介します。

  

 メカはホール素子、キートップは金太郎飴と同じ作りで絶対文字が

 消える事は有りません。裏面にプレートが貼って有るのを見ると

 日立製作所製で自社で使用していた事が分かります。  

 形名 H-9721-11C 製造番号 100  大変立派なものです。 

改造裏面全体です、上部小基板は

リピート動作させる為のストロブ

回路が組まれています。

キーメカ部の

アップです。

下は機能SW用引出コネクタ。

                              

  

 ストロブ基板アップ    マトリックスIC部

 どのようにしてアップル用のキーボードにするか説明します。

 まず本体に入力文字及び機能キーの信号をディスプレイに表示出来る

 プログラムを入れておきます。(コントロールM位は見つけておく)

 上のキーボードICの足を順番に短絡させて表示が出てきたらその 

 キーを探す。キー配列が良くない時は下右写真のように基板を改造する

 プリント配線を切ったりつなげたりするわけですが、キーメカ側は 

 カッターが入りませんのでドリルで裏から穴を開けてプリント配線を

 切断します。

 

 上の赤いビニールテープで覆われているのはダイオードで方向キー

 であるI,J,K,Mをキーボード本体より外に出し方向ジョイスティック

 に接続します。キーボードで方向キーを使用するゲームの時グッド。

 ジョイスティックはmacroJOY STICKと言う製品が定番で

 方向キーがファミコンと逆位置になってます。ボリュームの値がどうしても

 位置合わせから外れる時のためにもう一つ半固定VRを付けたりしました。

 IJKMジョイスティックはスイッチだけのメカ(なんかのジャンク)で

 プラスティックのボックスにトリガーSWと一緒に取り付けました。

   

 これらの作業がどうして可能だったか。

 それは膨大な量の技術的資料を手に入れられたからです。

   

 上左写真

 * 6502アセンブラ 4000円 * 和文アップル・ソフト ll 3800円

 * テクニカル・ハードマニュアル(I/O解説ROMリスト全回路図)

 4000円  * applell入門マニュアル 2400円   

 上右写真 * はじめてのあっぷる 小学館 1500円  

 * アップル操縦法入門 ラジオ技術社 2600円  

 * Beneath Apple DOS イーエスディ ラボラトリ 6000円か8000円した

 * アップルllインターフェース 啓学出版 1800円 

 * The DOS Manual  apple computer inc. 定価不詳 

 * 和文プログラマーズAID#1  日本ソフト&ハード社 2000円

これらの本にはマザーボードのIC間配線

まで事細かに書かれています。またショップ

ブランドの書籍も有りました、記事の他

カード類とか周辺機器の情報も豊富でした。

左写真の用に出版社から多数別冊として世に送り出されていました

 これらの本や雑誌と同じ趣味の友達たちで情報を交換しながら 

 自作PCを楽しみました。下の写真がその時の制作過程資料です。

  

 帳面等に記入してあることはすぐに

 思い出しますが、書かれていない

 事で作ってある部分は思い出せず

 分解して細部まで確認しました。

 作ってから相当時間が経ってますから仕方がありません、ですね。

        

 最後に真打ちの登場です。

 スロットの上にある大きなICが

 6502CPUです。

  シナテック社が製造した物です。

 MOSテクノロジー社が開発して、ロックウエルおよびシナテック社が

 生産したもので、アドレッシング・モードは13あって番地指定にいろいろ

 工夫を加えてプログラムを短くできる。

 80系のCPUのように、いたずらに命令数を多くするのではなく、

 すっきりとしたアーキテクチュアを持たせて、処理の高速化を実現する物。


 いかがでしたか、自作PC。 今の自作PCとちょっと違うでしょう。

 時代が違いますね・・・・・。。

 私が現在のPC環境になる前に大きな(昔はね)ステップとして

 今日本のメーカブランドとしては売れ行き好調の”バイオ”を送り出して

 いるソニーも最初の頃は8ビット機から始まっている事の証であるPC、

 SMC-70  SMC-777 について、少し披露します。

 興味のある方は次ページにどうぞ。   と言っても少し待ってね。

              

       SMC-777の世界へどうぞ