バッテリー充電器の製作
今回の停電騒ぎで我が家にはバッテリーが3個増えた。その内の1ッ個はリビングにも持ち込める
大きさだが、もう2個は大きいので充電するにも気を使う。
そんなバッテリーを充電する為、今回新たに充電器を作る事にした。
8千円前後の値段でそこそこの充電器がカーショップでも販売されているが、充電器を作る部品が
我が家には、ほとんど揃っている。 そこで製作を思いついた。

無かった部品はケースに陸軍端子の赤だけである。さっそく近所の電子部品屋さんで注文して手に
入れたのが、ケースはリードのLK-2とサトーパーツの陸軍端子の大きい方2個。
全部で8千円はしなかったと思う。 陸軍端子は色々なサイトで販売されているがよく見ると試験
目的くらいにして下さいっとの但し書きが有る所も有った。海外製の物は余り信頼性が無い物も有るらしい。 でも、サトーパーツと比べると値段が1/3くらいだからチョット気になる。 でも
取付る為の部分の寸法が短く、下手をすると取付出来ないかも知れない。
今回のケースは2重パネルで厚みが有る。そんな事を思いながら色々部品を揃えた。
今回の製作では進行具合を写真に撮って置いたので、その写真を見ながら説明します。
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前面パネルの穴開けが完了した写真。 直流ヒューズの取付を忘れていますが。
2枚パネルですので、化粧パネルと本体パネルの穴がズレルと駄目なのでそれぞれの穴の下穴を開け
た所に使用したドリルを入れておき、次の穴を開けるようにします。 
私はドリルセットを5組持っています、3組は5〜6百円の物で13本セット。他は19本セットと21本
セットの物。どれも安物ですがケースに入っていて大きさが直ぐに確認出来ますから重宝です。
鉄鋼細工をする時のドリルは大小200本以上有りますが、そちらは切れなくなったらグラインダー
で研いで使用しています。
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バックパネルに電源用プラグと冷却用ファンを取付。 プラグはヒューズ、フィルター付きの物を
使用した。 ファン直ぐのスリットはガラエポ板で塞いだ。
ダイオード取付け部分の下側にヒートシンクを取付た。 見つけると結構チョード良い物が有る。
ヒートシンク下のパンチングメタルは寒冷時、ファンを使用しなくても良い時の為に取付けた。
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パネルの穴開けが済んだのでそれぞれ部品を取
付けた所。

少し遊んで見ようと、ファンの回転数を変えら
れる様にする為の部品を用意した。

トランスの15V端子から電源を取り、15Vにしてから、電圧可変素子で6V〜12Vまで可変させた。
ボリュームツマミで電圧を可変させる。 上の写真はボリュームの目印が左水平時7V、右水平時
12Vに設定した物。 ツマミの上のLEDは電圧の上下で発光輝度が変わるので遠目でもおおよその
回転数が分る?為の物。
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ここまでで、AC回路、DC回路の配線
が済み、トランスを載せて配線を完了
させた。

しかし、電源を入れて見るとファン回
路のヒューズが飛んでしまう。
0.5Aのヒューズを入れていたが、切れ
てしまうので1Aを入れたら、また奇麗
な発光を見せながら切れてしまった。
どんな所にもヒューズを入れて置く事
の重要性を改めて確認した。

ラジオペンチに寄りかかっているラグ端子の部品はお払い箱。
 多分、L78MGが駄目になった為かと思います。0.5Aの定格なので最低でも1Aにする為、真空管
アンプにも使用している電圧可変回路にしました。 写真はL7812になっていますが、後で電圧不
足に気が付きL7815に変えて有ります。 もう一度最初から電圧作りをさせられました。
トランジスター電源回路で目的の電圧を得る為にカットアンド
トライを行い、ボリュームの頭に100Ωを入れる事で、負荷を
掛けた時に最小電圧6,14V〜最大電圧12.05Vを作る事に成功
した物。
14.24Vは無負荷時電圧。

最後に回路図を載せますから見て下さい。
6.14Vはボリュームの矢印がファンON表示灯に当たり、それ以
上電圧が下がらない様になっている。

        完成したファンコントロール部分。 
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ここまでで工作的、回路的には完成した。後は各スイッチ
類の役目等の名称表示をして、目的に合った動作をするか
の検証を行う。ファンによる風の妨げになる折り返し部分
は折りつぶして平にする。
空気の流れはトランスとヒートシンクに程よく当たり良好
で有る。
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表示は内部の配線状態を書くのではな
く、動作状態を表示する事にした。

また、24Vバッテリーに関しては、
バッテリーの用意が出来ないので、検
証は見送った。
15Aまでの制約が有るので、その都度
動作確認が必要になる。

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バッテリーの放電状態は100Wの電気こてを5分位インバーターで通電させた後である。

普通充電での開始時は13.73V-11Aである。

4Aまで電流値が下がって来た時の電圧は16.40V。
高電流充電設定にすると、16.89Vになり電流は8Aに
なる。
タイマーの設定時間に到達し、接点が動作
して充電完了表示が点灯する。充電完了時のバッテリー電圧は13.17Vである。
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無負荷時回路電圧波形
充電時回路電圧波形
本体充電回路図
ファン回路とスイッチ配線状態図
これで今回の充電器製作過程の説明は終ります。

最初にも書きましたが、今回製作の為に新たに費やした金額は8千円以内ですが、8千円出せば既製品
で有る程度の上スペック品が買えます。
しかし、オンリーワンの物が欲しければ、やはり自分で製作しなければなりません。
自動車整備工場には、もっと性能の良い物が有りますが、それはプロの道具です、無理に欲しがる物
では有りません。
自分の出来る範囲で物作りを楽しみましょう。


   製作費用  本文で出て来た8千円はケースの値段くらいでその他の部品としては、
         3万円以上必要になるかも知れません。私の場合それらが死蔵品として
         存在していました。ですからこの充電器と同じような物を部品全部新しく
         揃えて製作っとなると、4万円前後の費用が必要となります。
         4万円有りますと、個人で使用する物としてはかなりの高級品を購入出来ます。
         子供の服に例えると、生地を買って来て作るのと既製品を買って来るとでは
         3倍以上経費が違ってしまう事が多いです、物によってはボタンの値段だけで
         服が買えてしまう、などと言う時も有ります。
         価値観によりますが、目的の為にどのように行動するか、です。